高齢者の方の健康寿命延伸のために
口腔機能低下症とは、加齢により、口腔内の「感覚」「咀嚼」「嚥下」「唾液分泌」などの機能が低下する症状です。
口腔機能が低下する事により、低栄養、全身機能低下、虚弱状態や要介護状態を招きやすくなると言われています。
健康寿命延伸のためにも、口腔機能低下の予防はとても大事なのです。
当院では、以前より「舌圧測定器」を使用し、舌の運動機能の測定を行っていましたが、さらに口腔機能の衰えをより詳しく診断できるように、口腔機能測定器「健口くんハンディ」と、咀嚼能力検査装置「グルコセンサーGS-Ⅱ」を追加導入しました。
高齢者のみなさまが、いつまでも美味しく、楽しく、安全な食生活を送る事ができるよう、最新の医療でサポートします。
口腔機能訓練
当院では口腔機能低下症への対策として、口腔機能訓練を取り入れています。その中のひとつ、「パタカラ体操」をご紹介します。
パタカラ体操とは、食事の際に食べ物をうまくのどの奥まで運ぶための動作に必要な唇・舌・喉の動きを鍛える体操です。『パ』『タ』『カ』『ラ』の発音の仕方によって食べるときに働く筋肉を鍛えることができます。より効果的なトレーニングになるよう、今どこを鍛えているかを意識しながら行いましょう。
『パ』 = 唇を閉じる運動
パ!パ!パ!と、しっかりと唇を閉めてから大きく口を開けて発音します。『パ』のような破裂音は、発音するときに唇を一度ぎゅっと閉じます。この動きが、唇をしっかり閉じるためのトレーニングにもなり、食事のときの食べこぼしなどが軽減されます。
『タ』 = 舌で上あごをグッと押す運動
タ!タ!タ!と、舌を上顎にくっつけてから下顎に当てるようにして発音します。食べ物を噛むときや飲みこむときには、舌は上あごにしっかりついていなくてはいけません。『タ』の発音はそれらの動作に必要な筋力を鍛えます。
『カ』 = のどの奥に力入れる運動
カ!カ!カ!と舌の奥に力を入れ、喉を締めて発音します。食べ物を食道へ運ぶためには、一瞬息をとめ気管を閉じる必要があります。『カ』を発音するときのように、スムーズにのどの奥に力が入るよう鍛えるます。
『ラ』 = 舌を丸める運動
ラ!ラ!ラ!と舌を丸め先を前歯の裏につけて発音します。舌を丸める動きは、舌の動きをスムーズにする効果があり、食べ物を口腔内まで運び、飲み込むために必要な舌の筋力を鍛えます。